
毎年、NSAで開催されるジュニアの大会。カテゴリーはジュニア、ガールズ、ボーイズ、キッズと4カテゴリー。今年度の10/27-11/4アメリカのカリフォルニアで行われる世界ジュニアの選考を兼ねた大会となった。
今年から世界戦の代表枠が変更になり、U-18 BOYS&GIRLS、U-16 BOYS&GIRLSが各3人ずつとなる。この3人の代表選考はポイントランキング1位の選手、この大会の優勝者、NSAから推薦の1名が内訳となっている。
結果から。優勝はジュニア 森友ニ、ガールズ 松田詩野、ボーイズ 伊東李安琉、キッズ 渡邉壱孔。これにより、森、松田、伊東が世界ジュニア「VISSLA ISA World Junior Surfing Championship」の日本代表に内定した。正式には後日、NSAから発表される予定。
今大会のトピックスはジュニア優勝の森友ニ。世界大会の日本代表にもなり、国内でもJPSAにおいて優勝と輝かしい実績を持つ。しかし、昨年は大スランプに直面。代表選考にも落選して、勝てない時期が続いた。でも、諦めずにトレーニング、コーチングを受け続け、前向きの姿勢を貫いた。「努力は裏切らない」を実践した森友ニ。本当におめでとう!
また、ガールズの松田詩野。先日の千葉で行われたWSL QSでも優勝と勝負強さも身につけた。河村海沙コーチとのタッグで、スキルを磨きながらメンタルの強化も怠らない。今は何でも学ぼうとする姿勢が、この結果を生んでいる。あとはどんどん経験を積むこと。これでさらに強くなれるだろう。
ジュニアを代表とする次世代。オリンピックを2年後に控え、選手と保護者の熱も帯びてきた。試合に勝つか、負けるかで一喜一憂。これは致し方ないことだけど、今はサーフィンを楽しむことを勧める。特にキッズ、ボーイズの年代は絶対だ。
この世代は短期間で上手くなることは可能。それは楽しんでやるからこその結果だ。しかし、ここで落とし穴がある。今度は勝てない、負けることが続くと辛いから、面白くなくなる。では、もっと練習する?それでも勝てなかったら?ここをどう乗り越えるのか。
この世代は成長期でもあり、体格が数ヶ月で変わる。今までの板、ウエットでは無理だから、新しく大きいものに変える。そうなると、今までできていたことができなくなることも多い。それが勝てない理由の一つとなる。だから、この時期の「常勝」自体が難しいことを最初から理解しておくべきだ。
そして、心の問題。サーフィンの世界しか知らなかったらどうなるか。子供たちの逃げ場はなく、押しつぶされてしまうだろう。では、負けが続いた時の救いはどこにあるのか。それはサーフィン以外の世界。つまり、この世代なら学校だ。サーフィンとは全く関係ない人たちとの団体生活。ここで学ぶ授業や色々な考え方を知ることが子供たちにはとても大切だ。
サーフィンだけが人生じゃないということも学校で学べる。これがスランプの時の救いとなる。それを理解すれば、もっとサーフィンは上手くなれるし、今より一回りも二回りも人として成長することができるはずだ。
子供たちはサーフィンが好き。この気持ちを大切にしたい。目の前の勝ち負けではなく、長い目で見てあげること。東京オリンピックは単なる通過点だ。だから、長い人生を考えれば、子供たちは必ず学校に行かせて欲しい。そして、選手自身は楽しんでサーフィンをすること。これがJJPからの切なる願いだ。
大会結果はこちら。
NSA「JOCジュニアオリンピックカップ大会 / 第26回ジュニアオープンサーフィン選手権大会」
期間:6/16 (土)-17 (日)
場所:千葉県南房総市 千倉海岸


優勝:森友ニ(プロ)
2位:増田来希(宮崎)
3位:安室丈(プロ)
4位:石井乃亜(学連)


優勝:松田詩野(プロ)
2位:中塩佳那(山形)
3位:川瀬心那(プロ)
4位:加藤里菜(宮崎)


優勝:伊東李安琉(プロ)
2位:平原颯馬(プロ)
3位:和氣匠太朗(千葉東)
4位:金澤呂偉(徳島)


優勝:渡邉壱孔(千葉銚子)
2位:長沢侑磨(千葉東)
3位:金沢太規(徳島)
4位:足立海世(静岡伊豆)
ベストライディング賞:加藤里菜(宮崎)
敢闘賞:松岡亜音(千葉南)
大会詳細はこちら。
NSA 大会HP:
http://www.nsa-surf.org/news/20180617_day3jrmaster_result/
大会記事 (Surfmedia):