WSL「Taiwan Open World Junior Championships 2018」

 WSLは全世界を7地域に分け、各リージョナルから18歳以下の代表を選出。その代表が集まって今年度の世界一を争う大会がこの「World Junior Championships」だ。今年、日本が初の金メダルを取ったISAの世界ジュニア大会が国同士の戦いなら、こちらはあくまでも個人での戦い。同じ競技、カテゴリーでも厳しいものとなる。

 今大会は当初、2019年の1月に開催される予定だった。しかし、候補地が決まらず、急遽、12月に行われるロングボードの世界大会と併催することが決定。世界ジュニアとしては初の台湾開催となった。会場は台東の金樽漁港。会場の波は2-3フィート、セットで4フィートオーバー。潮は引いている方がベスト。期間中、強風の時が何度かあったものの、総じてコンテストに問題はなかった。

 WSLのアジアリージョナルの代表はインドネシアから和井田理央、日本からは西優司、金沢呂偉、安室丈。女子は松田詩野、野中美波に加え、インターのワイルドカード枠にて田中透生、脇田紗良が参戦。さらにランキング6位の古川海夕も自主参加と実力、実績のあるメンバーが揃った。

 結果から。アジアリージョナルでの最高位は和井田理央の3位。日本で括ると5位に西優司。女子は野中美波が5位が最高位となった。皆、それぞれ頑張ったと思う。しかし、今年の各自の戦績を見ても、もっと上を狙えた。各国の選手と比べても、それだけの実力は備えていたし、勝てたはずだ。では、なぜ負けたのか。

 日本人選手の今期の活躍は、練習の成果。そして、コーチングが浸透したこと。戦い方を覚えたことで、結果が出た。自信がついたことで、冷静に戦えるようになったことも大きかった。さらに選手自身が自分の考え方を持つようになったことが、一番の進歩だ。しかし、その学んだセオリーが、固定観念となり足を引っ張った気がする。

 今回の大会は先手必勝だった。試合全体を見る限り、皆、待ちすぎたように思う。そのセオリーもあるだろうし、良い波を待つことも作戦だろう。ただ、サーフィンの試合は刻々と条件が変わる。波、相手選手のポジション、順位、プライオリティ、残り時間を全て総合的に判断して、攻め手を考える。それを瞬時に行わなくてはならない。それが果たして、この大会でできていたのか。

 追い込まれた時はどうするのか。良い波を待つだけでは勝てない。自分から仕掛けないとダメだ。そして、その為に逆転できるだけの武器を持っているのか。相手の手数が10あるとするなら、今の日本人選手は5しかないのが現状。これでは勝つことは難しい。それと今の日本人選手に足りないところは応用力。相手との駆け引き、瞬時に作戦変更を行える頭の柔軟さも必要だ。

 日本人選手の実力は格段に上がっている。でも、もっと強くなる為には、何をしなくてはいけないのか。コーチのできることは、あくまでもアドバイス。最後は選手自身の問題だ。次のステージに上がったからこそ、選手自身がそこを学ぶ必要がある。また、JJPも選手のレベルアップに合わせて、改めて指導方法、サポート方法を再構築することが急務となった。これからがまた新たなスタートだ。みんなで力を合わせて上を目指そう!

 今年も応援ありがとうございました!引き続き、この活動をご支援をよろしくお願いします!

WSL「Taiwan Open World Junior Championships 2018」

期間: 2018.12/1-9
会場: 台湾 / 台東 金樽漁港(ジンズンハーバー)

・Men's

優勝: Mateus Herdy (BRA)
2位: Eithan Osborne (USA)
3位: Samuel Pupo (BRA)、和井田理央 (IDN)
5位: Cole Alves (HAW)、Te Kehukehu Butler (NZL)、Caleb Tancred (AUS)、西優司(JPN)

9位: 安室丈 (JPN)
25位: 金沢呂偉 (JPN)、田中透生 (JPN)

・Women's

優勝: Kirra Pinkerton (USA)
2位: Keala Tomoda-Bannert (HAW)
3位: Samantha Sibley (USA)、Zahli Kelly (AUS)
5位: Alyssa Lock (AUS)、Sol Aguirre (PER)、野中美波 (JPN)、Alyssa Spencer (USA)

9位: 松田詩野 (JPN)、脇田紗良 (JPN)

※大会 HP

・Men's
http://www.worldsurfleague.com/events/2018/mjun/2861/taiwan-open-world-junior-championships-mens


・Women's
http://www.worldsurfleague.com/events/2018/wjun/2862/taiwan-open-world-junior-championships-womens


・大会 フォト

和井田理央 (IDN)
和井田理央 (IDN)
西優司 (JPN)
西優司 (JPN)
安室丈 (JPN)
安室丈 (JPN)
金沢呂偉 (JPN)
金沢呂偉 (JPN)
田中透生 (JPN)
田中透生 (JPN)
古川海夕 (JPN)
野中美波 (JPN)
野中美波 (JPN)
松田詩野 (JPN)
松田詩野 (JPN)
脇田紗良 (JPN)
脇田紗良 (JPN)
Men's優勝は、Kirra Pinkerton (USA) Women's優勝は、Mateus Herdy (BRA) © WSL / Jack Barripp
Taiwan Open World Junior Championships 2018
Taiwan Open World Junior Championships 2018
古川海夕、安室丈、松田詩野、脇田紗良、野中美波、金沢呂偉、田中透生。(左より)
Taiwan Open World Junior Championships 2018

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