日本人選手が初のビッグタイトル!大原洋人がUS OPEN で優勝!
Photo : © Vans US Open of Surfing / Michael Lallande

 千葉で開催された「Go Pro Junior Games」が終了した翌朝に大きなニュースが飛び込んだ。WSL Men's QS 10000「Vans US Open of Surfing」にて大原洋人が優勝。今まで日本人として成し遂げられなかった最高の成績。それを、なんと18歳の大原洋人がメイクした。併せて開催されていたPro Juniorでも新井洋人が3位入賞と、日本のジュニアが大きな注目となった。

Photo : © WSL / Kenneth Morris

 サーフィンがブームになっていた当時、そう、日本でもWCTが開催されていた時代だ。ブームもあり、日本のサーフマーケットは大きかった。アメリカ、オーストラリア、ハワイに次ぐもので、すぐにでも世界の舞台で活躍すると誰もが思っていた。しかし、現実は南アフリカ、ブラジル、ヨーロッパと抜かれ、あと一歩のとこまで進む中、いつも辛酸をなめさせられていた。

 日本ではサーフィンがレクリエーションの要素が強かったこと。ライフスタイル、カルチャー寄りであったため、コンペ自体が否定される雰囲気もあった。それに加え、日本にある国内リーグ。日本人の考え方で、アマ→国内プロ→世界プロという道を頑に守り、この道を外れることを良しとしなかった。そして、世界へ出て失敗しても、出なくても国内で満足できる状況が用意されていたことも世界挑戦を遅らせてきた一つの要因だ。

 しかし、これに危機感を持った業界が、協会、メーカーそれぞれのスタンスで、選手のフォローを強化する。大原の世代からはその一本道を外れ、自由に大会に出るようになった。それは誰もが同じ道を行くのではなく、十人いたら十通りのやり方があり、世界へ行きたいのなら、最初から世界へ出て挑戦するようになったのもこの世代からだ。

 まずは、この環境を用意したご両親に大きなリスペクト!ピンチな時に最後まで応援する家族が、選手を奮い立たせる。失敗しても信じ続けるその気持ち。これはアスリートとしては大きな力となる。また、彼を応援し続けたスポンサー、コーチ。結果が出ても出なくても、サポートし続けたことが今回の快挙につながったと思う。

 今回の結果を考察すれば、すべてが揃わないと、世界で活躍するのは難しい。でも、一番なのは洋人自身がやはりすごかったということだ。波はジャンクであろうと与えられた条件で、これだけの演技ができたこと。そして、チャンスを逃さなかった。そして、それをメイクしたこと。すべては洋人自身が成し遂げたことだ。この結果で日本人選手がどれだけ勇気づけられたか。業界がどれだけ盛り上がったか。日本のサーフィン史において大きな軌跡を残した洋人。本当におめでとう!そして、ありがとう!

Photo : © WSL / Kenneth Morris

 サーフィンがオリンピックの最終選考候補に残ったことで、テレビの地上波でもニュースとなった。これはスノーボードに通じる扱いあり、今までになかったことだ。しかし、これに一喜一憂することなく、洋人には気にせずマイペースでやってほしい。そして、外野も煽ることなく、冷静にサポート、応援してほしいと切に願う。

 そして、ここからが勝負となる。ここがゴールでないのは本人がわかっている。WCT Hurley Proのワイルドカード。プライム(QS10000)大会への参戦。日本人初のWCT選手が目標だ。そして、その場所で活躍することが洋人自身の目標でもある。

 だからこそ焦らず、驕らず、プレッシャーに負けず、でも、自分の思うままに挑戦して欲しい。洋人ならできる! Go! Hiroto! Go!Japan!

Photo : © Vans US Open of Surfing / Brandon Means
Photo : © WSL / Kenneth Morris
Photo : © WSL / Sean Rowland

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